2020年元旦の様子
※大根にローソクを刺しています。笑

僕にとって、とても大切な方が昨年9月に亡くなりました。
神威脇温泉の管理人だった「佐藤さん」です。
家族で温泉に入りに行くと、

「ごめんね〜今日は子どもたちに何もあげるものがないよ」

と言いながら、何かしらのお菓子を毎回くれていました。
僕たち家族にとって、本当のおじいちゃんでした。

出産祝いも贈ってくださいました


僕とは50歳以上も離れているのに、「弟ができた」と言って、
僕を歓迎してくださり、奥尻島のコレカラについてよく夢を語り合いました。

•温泉の後継者を育て、守っていこう
•神威脇地区を奥尻島の観光の拠点になるくらい盛り上げていこう
•飲食店やBarをやろう
•ホタルも呼びたい
•温泉熱を利用して農作物も育てたい
•移住者を増やしたい

車椅子で身体が不自由だった佐藤さんは、電話が鳴っても間に合わないほどキツそうでした。
でも佐藤さんは、

「身体はついていかないけど、心はまだまだその辺の者より若いから一緒にやっていこう!
雄斗くんを全力応援する!」

と、いつもいつも言ってくれました。

温泉のお客さんが帰る時、車椅子で懸命に玄関に向かって、
「有り難うございます」と言いに行くのだが、
時間がかかるためだいたい間に合わなくて、すでに駐車場にいるお客さんの背中にお礼を言っている姿が忘れられません。
動かない足は睡眠中にも病んで病んで、30分置きに目が覚めていたようです。
それでも休まず温泉を守り続けてくれました。

「プライド持ってやってるんだ」


口癖のように何度も言っていた言葉。
目の前のお客さんを喜ばすために、身体に鞭を打っていた姿を一番近くで見ていました。

僕が辛かった時、2人きりで外食に誘ってくれたこともありました。
僕にとって、最初で最後の佐藤さんとのお出かけでした。

「あなたのやっていることは何も間違っていない!
妬みや僻みで色んなことを言われるかもしれないけど、
そんなの気にしていたらココではやっていけない。強くなるんだ」

そう言って励ましてくれました。


そして、今でも決して忘れることのできない言葉があります。

「私は息子から東京に一軒家をプレゼントされたが、行く気はない。 君との友情を何よりも優先する。頑張れるまで、プライドを持ってここの温泉を守る」


その後一年もせずに、佐藤さんはここで亡くなりました。
僕が佐藤さんの想いを受け継ぎ、守っていかなければならない。
でもどう頑張ればいいのかわからない。

そのような状況の中、僕はたまたま江差の講演会に呼んでいただき、
奥尻島の魅力や課題をお話する機会をいただきました。

講演会の様子

主催してくださったのは、江差の「奥尻に行こう会」の方々です。

講演会が終わったあと、主催者のメンバーの1人の中川清掃社さんが、
「外崎さん、温泉守ろう!」そう言ってくださいました。

その言葉は社交辞令ではなく、中川さんは​神威脇温泉の指定管理者として名乗りを上げ、僕も微力ながら関わらせていただき、この度2021年4月2日に新生「​神威脇温泉」が誕生しました。

前列右が中川さん、そして仲間たち

神威脇温泉は、地球からのギフトであり、奥尻島の宝です。
そして、たくさんの方々の想いが詰まった場所でもあります。

僕たちは、佐藤さんのスピリットを絶やさないように、
みんなで協力してやれることをやっていきます。

厳しい状況でもなんとか踏ん張っている「​神威脇温泉」に、
遊びに来て応援していただけると幸いです。


僕と佐藤さんの時計の針が、再び動き始めました。

佐藤さんが亡くなった翌日に、温泉から虹が。

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佐藤さんの貴重なインタビュー映像です。

「毎日、​神威脇温泉の神様に手を合わせて感謝している」


温泉が湧き出ていることは、決して「当たり前」ではなく「奇跡」だということを、
体現されていた佐藤さん。

3分の映像ですが、きっと心がほっこりすると思います。

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