奥尻島には「大学」がありません。ということは、「島に大学生が常にいる」ことはありません。しかし、この度、現役大学生がなぜか島に移住したのです。
しかも、奥尻高校生と密に関わる「高校寮ハウスマスター」として働くことになりました。
これは島にとってすごく明るい話題。そのストーリーを共有できたらと思います。
以下、移住をした高田茉奈さんからの文章をそのまま載せます。
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〜コロナ禍の大学生活〜
大学入学後、新型コロナウイルスの感染症拡大により思い描いていたキャンパスライフを送ることが出来ずにいました。
大学入学と同時に京都で下宿生活を始めた私にとっては、1日中家にいる状況が苦痛でしたが、“辛いのは自分だけではない”と自身に言い聞かせなんとか精神を保っていました。
どこかやりきれない気持ちを抱えつつも「今、出来ることは何だろう」と考え、大学が主催しているオンラインの国際交流イベントに数回参加しました。
イベントに参加していく中で、人と直接会って話がしたいという思いが強くなっていきました。
〜ECOFF奥尻島〜
離島の雰囲気や海を眺めることが好きだったため、「離島 大学生」で検索していたところECOFF のサイトに辿り着きました。
世話人である雄斗さんのプロフィールやボランティア内容(現地に住む方々との交流/体験型アクティビティ)、以前の参加者の感想などから「ここだ!」と思い応募しました。
奥尻島では都会では味わうことの出来ない人と人との繋がりや温かさを肌で感じ、いくつもの心を揺さぶられる体験をしました。その中でも特に、雄斗さんがガイドをしてくださったブナ林ツアーが記憶に残っています。
今だから言えることですが、ブナ林のツアー中感動で涙が出るのを必死で堪えていました(笑)
この記事を読んでくださっていて、ブナ林ガイドツアー未体験の方がいらっしゃれば是非おすすめしたいです。
ECOFF の活動期間中、十蔵くんが就職活動で来島していたため高校時代の話や奥尻島に来る経緯について軽く話をしながら夕食を共にしました。
(この時に知り合っていなければ、現在奥尻島で地域おこし協力隊として活動することもなかったかもしれません。出会いに感謝いたします。)
活動終了後、しばらく 10日間の余韻が抜けずやや放心状態に陥りました。奥尻島から都内の某駅に降り立ったのですが、あまりの空気の違いに驚愕したことを覚えています(笑)
ECOFF 奥尻島で出会ったメンバーとは、その後も関東や関西で集合して近況を話したり連絡を取り合う仲になりました。ここまで親密な関係を築くことが出来たのも、世話人である雄斗さんが私たち学生一人一人のことを真剣に考えてくださったからだと思います。
奥尻島に行こうと決めて良かったと心から思います。
※茉奈がECOFF奥尻島に参加した時の記事はこちら
※ECOFF奥尻島(2024.09.17~26)申し込みリンク
※大学生ボランティアの受け入れを継続している理由
〜来島のきっかけ〜
就職活動をしていく中で、将来について真剣に考えるようになり休学を決意しました。決意したのはいいものの、“何をするか”という具体的な内容については決めきれていませんでした。
企業のインターン面談を終えて悩んでいたその日の夜に、十蔵くんから約2年ぶりにメッセージが届きました。メッセージが送られてきたタイミングがあまりにも良く、直感で「何かある」と悟りました(笑)
休学について相談していたところ、奥尻島の地域おこし協力隊について教えてもらい、面接を経て、無事に奥尻島の住民になることが決定しました。
〜島でのこれから〜
奥尻島では 11ヶ月間、高校寮ハウスマスターとして勤務する予定です。休学中ではありますが、島に在住する唯一の大学生として少しでも高校生のサポートが出来ますと幸いです。
奥尻島内に在住する方々はもちろん、来島してくださった観光客の方にも積極的に交流していきたいです。よろしくお願いいたします!
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以上、茉奈からのメッセージになります。
大学生ボランティアの受け入れを2019年から継続していますが、十蔵や今回の茉奈のように移住してくれたり、移住とはいかなくとも、年に何回も「里帰り」と言って会いに来てくれたり、本当にたくさんの幸せをいただいています。
先日、函館に呼んでいただいた講演会には、千葉県在住のOGが仕事の休みを利用して、飛行機に乗って弾丸で会いに来てくれました。
※詳しくはこちら
これは決して当たり前ではなく、このような関係性を築けることこそ一つのゴールであり、生涯を通して大切にしていきたいことです。
大学生ボランティアの受け入れを始めた当初は、「奥尻島を若い世代にも知ってほしい」という想いで始めたのですが、その想いを遥かに超えた領域に活動の輪が広がっていることを嬉しく思います。これはひとえに、大学生を温かく迎え入れていただいている島民の方々のお陰です。この場を借りて感謝申し上げます。
これから紡ぎ出される新しいストーリーにワクワクしながら、日々を過ごしていきたいです。
最後までお読みいただき、有難うございました。